【社会福祉法人の設立の経緯と目的】
私たちは、これまで営利法人として16年間にわたり高齢者・障がい者在宅介護サービス、母子・父子家庭への子育て支援事業などを営んでおりました。また、私たちの考える社会福祉事業とは、様々な生活環境下で支援を必要とする子どもや高齢者(障害の有無にかかわらず)の方々に対して、その必要に応じた支援体制を構築する事にあります。
現状の福祉事業に従事する人財の不足は、従来にも増して深刻化しており、国の社会・援護局 福祉人材確保対策検討会においても、介護従事者の確保について議論されているところであります。例えば、今般の国の進める方針の一環として、介護離職者の減少と、出生率の向上に対する戦略が掲げられており、介護サービスの充実、医療・福祉・保育人財の確保、子育て支援対策の必要性が明確に掲げられております。
一方、自治体の高齢・障がい事業に対する検討委員などとして関わらせて頂いた立場から分かることがありました。例えば、①利用者に地域の福祉サービスの知識が十分に無く、老々介護、認々介護、高齢の独居、高齢になり生活しづらくなった知的・精神・身体に障がいをお持ちの方々。②重症化し、身内での対応が困難になり不幸な結末を迎えるケース、③低所得者の方々への支援、④医療・福祉の現場で働く方々が法人内で一体的に支援出来る体制がなく結婚・出産・子育てなどで離職を選択せざるを得ない実情等多々ございました。
この難題を地域の問題として一体的に解決してゆくことが望ましいとは思いますが、全てにおいて自治体の責任として解決を図る事は出来ないものと考えます。
社会福祉の現場で活動する立場から、何とかしてこの現状の解決を図る手段はないものかと検討したところ、自分自身が社会福祉法人を設立し、これらを地域の求められている課題として整理し、地域貢献や社会貢献の一体的な支援者として位置付ける役割を担いたいと考えるに至りました。
【事業の柱】
社会福法人を設立することにより、前述の全てに対して事業化出来るものばかりでは有りませんが、現時点において確実に出来る最大限の地域貢献や社会貢献について検討してきた結果、三鷹市と協調しながらすすめる事の出来る事業として、次の6つが柱としてあげられます。
これらを整備するためには、地域のニーズや、地域の社会資源などを総合的に取り込める体制作りも求められております。この事業活動を通して、地域の医療・福祉人財、社会資源、関係機関の参加による、地域福祉の共有化や情報網の整備と考えを同じくする地域の方々が参画出来る体制作りの構築を考えております。営利法人では不可能な、あらゆる方向で協力して頂ける、地域の人財力の集結をしてゆくことで、地域で抱えている問題点を解決するための大きな力になりえると確信しております。
【協力体制】
今回の事業に協力頂ける方々の中には、地域において長年事業を行い、地域活動を行っている法人役員、民生・児童委員、特別養護老人ホーム施設長、地域医療機関の医師・地域連携業務を行う方々、地域行政・福祉分野などを研究している学識経験者の方々、地域の看護専門学校の教育・運営に関わっていた方、福祉専門学校の教育・運営に関わっている方、社会福祉協議会関係者、弁護士、他地区で社会福祉法人評議員を行っている税理士など、地域・福祉・医療・行政関連・有識者の方々などから、社会福祉法人の設立とその意義について賛同を頂いております。
【事業の方向性】
これらの方々の繋がりや人財を有機的に機能させてゆく事により、全てではありませんが、地域の福祉サービスの集約や発信拠点として機能させる形態の第一歩として、今回 社会福祉法人による認知症高齢者共同生活介護(通称グループホーム)、看護小規模多機能型居宅介護(医療・介護・一時宿泊・通所の一体的提供)、小規模事業所内保育(外部も受入れ可能な事業所内保育)を一体的に運営する方針を固めました。
これからの新しい地域包括ケアシステムのモデル事業として、地域の方々と共生して行ける社会の一員を目指して活動してまいります。
法人開設後においても、ご支援賜りますよう宜しくお願い申し上げます。
社会福祉法人みたか福祉会 設立準備会
発起人代表 山田義剛
発起人 松本 勉
※文中では「人材」を「人財」として表記しています。人は物扱いでは無いこと、有益な宝(財)であることからこの文字を使用しています。ご容赦願います。