• グループホーム、看護小規模多機能、訪問看護、保育園を併設

    1.その会話がきっかけで

    当事業所「ふぁみりあ」でも、グループホームの入居者さんが、マスクづくりに励んでくれています。そのきっかけは、ある日のテレビ画面に映った、街の人々の様子でした。
    Aさん「ねぇ、なんであの人たち、みんなマスクしてるの?」
    スタッフ「今、世界中でひどい伝染病がはやっていて、マスクを着けることが義務になっているんです。だから私たちも着けているんですよ」
    Aさん「それは大変ねぇ。だからみんなが着けているのね」
    スタッフ「そうなんですよ。マスクを買いたいんだけど、品切れでお店にも売ってなくて、すごく困ってるんです」
    Aさん「じゃあ、作ればいいじゃない。作ってあげるよ!」
    Bさん「わたしも作れるよ!」
    お裁縫が得意なAさんの会話からマスクづくりが始まりました。
    すでに他の介護施設でもマスクづくりを始めていると聞いていたスタッフが、「うちでもやろうよ!」と言い出して、さっそく業務の合間をぬって材料を買いに行きました。

    ◎裁断した2枚の布を縫い合わせます。

     

    2.連係プレーが生きる場所

    翌日からマスクづくりが始まりました。
    縫い物を得意にしてきた方もいれば、プラスチックの型紙を使って鉛筆で線を書くほうが得意な方もいます。ハサミで線に沿って布を切るだけならできるという方も。分担作業ができるのが良いところ。自然な連係プレーの場が生まれます。
    それぞれができる範囲を見極めながらスタッフも関わっていきます。
    Bさん「もう切り終わっちゃったんだけど……次は?」
    スタッフ「もうすこし待っていただけますか。線を書くほうが追い付かないんです」
    Cさん「はい、で~きた! あれ、違うところ、縫っちゃったかな……?」
    スタッフ「いいえ、大丈夫、ちゃんと合ってますよ!」
    このマスクの作り方と型紙はインターネットで検索して見つけました。スタッフも自分たちの特技を活かしながらチームとして関わっていきます。
    それぞれ5種類の絵柄がついた布。そこに不織布を縫い合わせて、ゴムひもを通したら完成。
    入居者さんたちの手の中でスイスイと針が泳いでいきます。同じフロアの方の手先の器用さに目を丸くしている方もいました。

    ◎5種類の絵柄のマスクが完成!

     

    3.手作業だけでなく会話を

    マスクづくりという手作業を活かした活動をしています。
    現在、この世界的な感染症の流行がおさまるまでは、買い物も散歩も控えていただいています。また、「ふぁみりあ」では、屋上で太陽に当たっていただくなど健康面にも配慮しながら、外出できない分、室内での楽しみを増やしていこうと考えて取り組んできました。
    その点、このマスクづくり、黙々とハサミや縫い針を動かしていただくだけでは、スタッフにも芸がありません。手を動かしながら口も動かしていただきます。
    スタッフ「わぁ、縫い目が整っていてきれいですねぇ。こんなに上手にできるなんてスゴ~イ!」
    Aさん「このくらい当たり前なの。そうしないと昔はお嫁にも行けなかったんだから」
    スタッフ「そうだったんですね。失礼しました。ところで、最初は誰に教わったんですか?」
    Aさん「昔はね、どの村にも教えてくれる先生がいて、その先生から和裁も洋裁も教わったものよ」
    Cさん「そうよねぇ。わたしも嫌々ながら通ったわ」
    Bさん「子どもの洋服だって、すべて手づくりしたし、継ぎ接ぎもしたのよ」
    どんどんおしゃべりに花が咲きます。しばらくして、スタッフの「そろそろお茶の時間にしませんか?」という声で、みなさん手を洗いに行きます。さあ、お茶にしましょう。

    ◎男性にもフィットする大きさです。